新入社員研修レポート(東京視察)

はじめに

大橋 晃平
大橋 晃平
OHASHI Kohei
構造系部門
橋梁・長寿命化
グループ

私は、高校時代まで山口県で過ごし、その後大学への進学を機に大阪で学生生活を送りました。これまで旅行等で各地へ足を運ぶことはありましたが、東京には一度も足を踏み入れたことがありませんでした。そんな私が、2019年度にCFKの新入社員となり、4月から配属先の東京本社で働き始めました。

その約3ヵ月後、新入社員研修の一環として東京視察の機会が与えられました。本視察は、東京本社での意見交換、現場視察および自由視察で構成されており、これらの内容を通して東京本社の仕事や雰囲気、社員を知り、さらに、所属以外の業務に触れて視野の拡大を図るとともに、同期の親睦の場という位置づけもあります。

まだ3ヵ月分の知識しかない私にとって、未開の地で仕事をする上で必要なこと、やるべきことの発見に繋がればと思い本研修に参加しました。そこで得た私の見解について紹介します。

東京本社・意見交換

意見交換(東京本社)
意見交換(東京本社)

東京本社の幹部社員および若手社員と意見交換を行いました。

東京本社は、大阪本社と比べて海外出張や前線に出る機会が早いという話がありました。さらに、関東圏の2019年度当初のインフラ整備の事業予算は他地方よりも大きいため、引き続き関東圏の事業展開に力を入れていくという思いも伺うことができ、私も東京本社に勤務する一人として少しでも力になるため、より一層の努力をすべきであると感じました。

また、印象に残った意見として、関東では関西弁は少し冗談めいて受け取られるという意見がありました。サービス業であるコンサルタントにおいてコミュニケーションは大切であるため、関西弁を使う場合はタイミングを間違えないよう気を付けたいと思います。

現場視察

都内でCFKが携わった業務のうち、以下2つの橋梁の現地に直接出向きました。そこで、その業務に携わった先輩社員から直接説明を聴きながら視察を行うことができました。

聖橋

聖橋
聖橋

聖橋は、建設当時および平成初頭の修景整備において景観に配慮した設計がなされており、今回行われた長寿命化設計においても建設当時のコンセプトを引き継いで設計されています。現地に行くと一目で、景観に配慮したデザインへの強い拘りを感じることができました。

実際、長寿命化設計の報告書に目を通すと、小アーチの厚みと間隔が一様に見えるよう目の錯覚を利用した設計が建設当時になされていることや、コンクリート表面が試行錯誤の末、現在(長寿命化設計)の打放し風の吹付けが施されているなど、視覚的配慮がなされていることが伺えました。

また、アーチ部下面に水紋が映るなど設計・施工図からは読み取ることができない聖橋の美しさにも触れることができ、現地に行くことの大切さを感じました。

渋谷駅東口デッキ

渋谷駅東口デッキ
渋谷駅東口デッキ

既設橋からの架け替え設計が行われ、施工中は歩行者および車の動線を確保しながら作業をする必要があり、難しい設計になったのではないかと感じました。

デザインについても歩道を広くするための工夫や、視界を遮らないガラスの高欄などの工夫がなされており、開放感あるデッキになっていると感じました。まだ橋脚の化粧など未施工の部分も残っているとのことなので、数年後、完成したデッキが現況からどのように変わったのかを比較しに再度訪れたいと思いました。

自由視察

東京周辺の視察したいものを自由に選択し、その場所を訪れました。私は、配属先の橋梁・長寿命化グループで業務に携わる中で、橋梁に強い関心を持つようになりました。その事もあって視察対象を橋梁に絞り、インターネットや先輩社員等から情報収集をした結果、特に関心を惹いた以下2つを視察することにしました。

レインボーブリッジ

レインボーブリッジ
レインボーブリッジ

都内の橋梁の中でも有名な吊り橋であるレインボーブリッジを徒歩で縦断しました。レインボーブリッジは桁下を船舶が、上空を飛行機が通るため、安全上高さが52.4m~150mの間に上部工を収める必要があり、そのうえで吊り橋自体の安定性も考えるため、その設計には困難を極めたと思われます。また、床版も上下二段構造になっており、上段は往復4車線の首都高速、下段は往復4車線の臨港道路に加え、中央に新交通「ゆりかもめ」が走り、両端に歩道があるという構造になっています。このように条件が制限される中、特徴的な構造を取り入れているという特殊性に惹き付けられるものを感じました。

そのようなレインボーブリッジを渡る際、歩道が下段だったため、層と層の間や上段の床版下の構造などいろいろな部分に目を向けて視察することができ、一段構造では近くでなかなか見ることのできない支承や落下防止装置などを間近で見ることもできました。

このように感覚的に橋梁の“上”ではなく“中”を通るという日頃味わうことのできない体験ができ、満足の行く視察となりました。

隅田川クルーズ

隅田川クルーズ
隅田川クルーズ

お台場から浅草まで隅田川をクルージングしました。出航直後は船外に出られましたが、隅田川に入る直前に船内に戻されたため、思っていたような間近での橋梁観察とはいきませんでした。

前週に大阪の道頓堀川を同様に船で巡るデザインサーベイに参加してきたので、大阪と東京の橋梁について比較しながら視察を行いました。

まず、違いとして気づいたことは橋梁の色です。大阪では彩度の低い碧色のような色の橋梁が多い印象でした。それに対し東京の橋梁はさまざまな色のものがあり、中でも蔵前橋から白髭橋の五橋は色彩計画が行われ、黄・緑・青・赤・白の五色が隅田川の景観の美しさを演出していました。

さらに、道頓堀川と隅田川では川幅に大きな違いがあり、それに伴い河川の親水空間づくりにおいての違いが感じられました。大阪では、河川沿いに立ち並ぶ飲食店のテラス席やとんぼりリバーウォークといった遊歩道など、河川を挟んだ一帯の空間が観光的役割を見出しているように思えました。東京の隅田川では川幅があり、大阪のように“河川を挟んだ一帯”とはいかない一方で、橋梁の規模が大きかったり、花火大会や灯篭流しなどの規模の大きいイベントがあったりと、それぞれの条件や特徴に応じた親水空間の利活用が図られていると感じました。

まとめ

今回視察として多くの橋梁を巡りましたが、橋梁のそれぞれに違った条件があり、特徴があり、拘りがあることを知りました。これらの知識を増やすことが、今後橋梁の設計を考える上での引き出しを充実させることに繋がると思います。そのためにも、今回同様現地に足を運び、実物を自分の目で確かめながら巡りまわる、ということをプライベートな時間でも使って行いたいと思います。

また、橋梁だけでなくそれ以外の分野にも視野を広げ、さらに、そこで身に着けた知識を共有し、意見交換などして、自分の知見を広げることに結びつけられたら理想的です。

最後に、大阪や名古屋にいる同期と久々に交流することもできました。これからも切磋琢磨できる良い関係でいられるために、同期を大切にしていきたいです。

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