全社方針

本質を極める 中期経営計画2022-2024

建設コンサルタントの経営計画、CFKにとっての経営計画って何だろう?
ふと、そう思ったのは、今から約5年前。2代前の中期経営計画2016-2018を進めている時だった。「持続的に社会に貢献し成長する“強い会社”」を目指したこの経営計画のもと、会社の業績は上向き傾向。こんな時だからこそ、考えるべきことがあるのではないかと思い、「中期計画のPDCA」と題したメモを作り始めた。サブタイトルは「現在の好調は自ら生み出したものか?」。

「プロジェクト志向」はCFKのDNA

建設コンサルタントは、行政や交通事業者等のクライアントが抱える様々な課題に対して、調査・計画・設計などの技術サービスを通じてコンサルティングを行うことを主な生業としています。このため、クライアントに依存した「受注産業」の側面があり、土木や都市計画の予算等に業績が左右されがちです。

しかし、我々の真のクライアントは、社会インフラの利用者や地域で暮らす市民、物言わぬ自然、未来の子供達です。専門家として、必要なプロジェクトや政策に対して能動的に取り組む会社でありたいと考えています。この意識のもと、前中期経営計画2019-2021では、「プロジェクト志向をもって価値創造集団を目指す」というスローガンを掲げました。問題を与えられてから解くのではなく、自ら問題を設定し能動的に動いていこう。真の顧客である市民、自然、未来の子供達のためのプロジェクトを実現させよう、と。

こうして掲げた「プロジェクト志向」は、戦後復興のパイオニアとして生まれたCFKのDNAそのものでした。そもそも、社会インフラやまちづくりに対して強い想いを持って集まった技術者集団。CFKのアイデンティティとして、今回の中期経営計画2022-2024でも、この精神を引き継ぐことにしました。

鉄軌道プロジェクトは総合技術。経験の積み重ねと新しい役割への挑戦の先に本質がある。(CFK設計の西九州新幹線嬉野温泉駅)

岩盤崩落直後の現場に駆けつける。防災の本質とは何か。物言わぬ自然に対して、時には話しかけ、時には正面から向き合う。(奈良県上北山小橡)

「本質を極める」に込めた想い

一方で、プロジェクト志向の精神だけでは、社会インフラや地域の課題は解決できません。課題を解決する技術力が必須であることは当然として、それ以上に課題そのものの設定能力、あるいは問題発見能力が重要で、そのためには「ものごとの本質を捉える能力」が不可欠となります。

そもそも、2代前の経営計画で目指した「持続的に成長する強い会社」であるためには、コンサルタント業界のなかで頭一つ抜けた存在、唯一無二の存在でなければなりません。我々は、それを会社の規模(量)に求めず、技術の質に求めました。冒頭に挙げた「中期経営計画のPDCA」のメモには、「本気の質的No.1、ホンモノ志向」といったワードが並び始めました。CFK NETWORK 2021年新春号では、「本質を極める」をテーマとした特集を組みました。そして、今回の中期経営計画2022-2024のスローガンとして掲げることにしました。

 左:中期経営計画2022-2024の骨子 、右:CFK NETWORK 2021年新春号、特集「本質を極める」の扉

集団的well-being経営とオフィス環境

コロナ禍を契機に、リモートワークをはじめ、多様な働き方が増えつつあります。働き方と幸せな暮らしは表裏一体であり、社員を幸せにできない会社が、社会を幸せにできるはずありません。ただ、個人の幸せの追求が会社全体の幸せになるとは限りません。そこで、集団的well-beingとして、会社全体として社員の幸福度の最大化を目指すことを、中期経営計画のビジョンの1つとして掲げました。

一方で、CFKのCIは、Creative & Full Knowledge。単にリモートワーク等のカタチだけを取り入れるのではなく、新たな働き方やその環境が、我々のコンサルティングに新たな価値を生むのではないかとポジティブに捉えました。同時に、リアルな空間を共有し、ひざを突き合わせて協働することの大切さも再認識したうえで、これらに応じた制度づくり、オフィス環境整備を進めることにしました。

このために立ち上がったのが、若手・中堅の社員を中心とした「新たな価値創造を支える働き方とオフィス環境づくりタスクフォース」。彼らは、社外のクリエイター等を加えたチームを結成しました。一見オフィス環境づくりとは無縁と思うような社外ワークショップや、社内実験等を通じて、様々な社員を巻き込んでいき、今まで表に出なかったアイディアがカタチになっていきました。このムーブメントは、まさに経営計画が目指すこと、そのものなのです。
 

震災直後から継続して取り組む復興の舞台づくりと地方創生の実践。コンサルタントとしての本質を自問自答。(写真出典:宮城県女川町)

新たな価値創造を支える働き方とオフィス環境づくりタスクフォース。彼らのチャレンジは、未来志向の経営計画の実践そのもの。

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結局は「自分ごと」かどうか

結局、「プロジェクト志向」も「本質を極める」も、「自分ごと」として考えて動くかどうかです。このため、中期経営計画策定の1年前から、様々な社員とディスカッションし、「自分ごと」で考えるきっかけづくりに努めました。その時に用いたのが、冒頭の「中期経営計画のPDCA」というメモ。逐次更新した結果、最終的には第10版を超えました。

そもそも計画を作ることが目的ではありません。計画を実践しながら、必要に応じて見直していく「進化する計画」であるべきと考え、中期経営計画を題材とした社長懇談会を7部署に分けて開催しました。「自分ごと」としての様々な意見に対して、既に施策を動かし始めています。
最後に、「本質を極める」ためには、夢が必要だと思います。「SFプロトタイピング思考」を計画プロセスに用いたのもそのためです。そういえば、有名なスポーツ選手が言っていました。「夢は近づくと目標に変わる」と。

本質を極める。簡単ではありませんが、愚直に取り組む姿勢が大事です。

白水 靖郎
SHIROMIZU Yasuo
常務取締役
経営企画本部長

CFKの中期経営計画2022-2024の策定プロセス

ずっと先のミライをちょっと先の未来に:未来社会創造センターを設立

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