風ということば
新年を迎え、風の動きに気持ちが向いています。
時季を想起させる風の表現があまた存在するように一つの節目に思うのは、どんな風が吹くのでしょうか。
季節を進めていくだけでなく、世の中の雰囲気の方向のような意味で「風」という言葉が使われる例が多いです。
転じて風の色は何色でしょう。
青葉の上を吹き渡る「緑風」も、強く吹けば「青嵐(せいらん)」となり、吹いている様子はなくても、気配を感じるようなときは「色なき風」と表すことがあります。まさに雰囲気です。
そうした意味をひっくるめて、新春に吹く風は、進むべき道に吹く「順風」であってほしい。新型ウイルスに席巻された社会を換気する風向きで、ゆめゆめ「仇の風」にならないことを願うばかりです。
風のちから
想いを巡らせると、なぜ「風」にとらわれたのでしょうか。
こうして連想してみると私の中の「風」のイメージは「変化」だと思いしることができます。
もちろん季節の変化もあるけれど、もっと広い意味での「変化」。時代や環境や常識等々。
暴風のような激しい変化、微風のごとき穏やかな変化・・・。
様態は異なれど、有為転変は人の世の常です。
きっと私たちは、変化を感じ、愉しみ、受け容れることで成長してゆくエネルギーを蓄えるのではないのでしょうか。
ぜひ若い人達が、新春に相応しい瑞風《ずいふう》を吹かせて、変化をもたらせてほしいです。
そして仲間たちは、どんな「風」でも受け止めてより良い社風へと風味づけてくれることを期待します。
社会のためのエネルギーに変化させる風車のように。

村上 斉
MURAKAMI Hitoshi
取締役
管理総務本部長