「新しいオフィス環境づくりプロジェクト」 推進中!

堀木 小百合
『これからの時代のオフィス 環境づくりタスクフォース』推進幹事
道路系部門 道路第一グループ

CONTENTS

新しいオフィス環境づくりプロジェクト

経営層が中期経営計画(2022~2024)の策定を進めていた中で「CFKの価値創造を支える働き方とそれを支えるオフィスとは?」という問いをきっかけに、2021年から本プロジェクトが立ち上がりました。

これまで、会社から与えられた場所を使ってきた私たちにとって、これからの働き方とオフィス空間のあり方を考えるのは初めてのことでした。社内からも「今のオフィスで何が問題なのか?」「新しい機能を入れても一部の人しか使わないのでは?」といった声もあり、どこから手を付けたら良いか迷う状態でした。

『これからの時代のオフィス環境づくりタスクフォース』 結成!

CFKの社員だけで考えると、潜在意識によるリミッターがかかってしまう恐れがあるため、パートナーとして、オフィスの空間デザインに長けた株式会社ロフトワークとetoa studioとの協働で進めることとしました。オフィスのレイアウトや什器だけであれば、他の選択肢はありますが、CFKの『あたりまえ』を更新しながら、空間と働き方・活動をセットで変化・成長する“しくみ”を一緒に考えるためには、未来の可能性をかたちにすることに長けた専門会社の知恵と力が有効と考えました。社内では、立ち上げメンバーである推進幹事4名に加え、各部門長・本部長の推薦や自薦による17名が参加し、『これからの時代のオフィス環境づくりタスクフォース』(以下、「TF」という。)を結成しました。

2021年度の活動

①フィールドワーク

フィールドワークの様子

2021年度の活動は、CFKとは異なるオフィス空間を見て、聞いて、感じることからスタートしました。

シェアスペースKITANOMAD、屋上菜園を行うアパート清山荘、泊まれる森のシェアオフィスROKKONOMAD。神戸にある3つの素敵な空間で、私たちのオフィスについて考えることで、自由に議論したり、互いを刺激し、高めあえるようなワークスタイルにおいては「会社員の自分たち」以外にも、「普段着の自分たち」を知ることが重要だとの気づきを得ました。

②ワークショップの開催

ワークショップの様子

続いて、これからのCFKらしい働き方/過ごし方を言語化するため、TFメンバーで2回のワークショップを行いました。その過程で、オフィスでの業務、たわいもない会話から相互理解を深め、個人、そしてCFKらしさがにじみ出るのではないか。私たちの目指したい働き方がだんだんわかってきました。

ワークショップで得られたCFKらしいワークスタイルのアイデア、それがマッピングされたワークシートを整理・統合し、次の5年のワークスタイルをマップにまとめました。

これまでCFKの働き方に無かった考え方である、普段関わらない人との交流『TAMURO』といつもと違う場所で働く/ひと休みする『IDLING』。2022年度にはこれらワークスタイルを具体化する作業が始まります。

CFKらしいワークスタイルのアイデアをマッピング

2022年度の活動

2022年度は大きく2つの活動を行いました。全社に向けた「環境づくりと価値共創活動」と大阪本社の「基本設計」です。本記事では前者を紹介します。

①全社懇談会

2022年7月に全社を対象とした懇談会を開催し、2021年の活動と2022年度の活動計画を報告し、オフィス環境づくりに関する意見・提案を集めました。対面・WEB合わせて約140名の参加者で行われた意見交換ではオンラインホワイトボードを用いて、画面越しからでも意見が出しやすいスタイルで実施したところ、200件を超えるアイデアが集まり、多くの社員がオフィス環境に興味・関心を持っていることがわかりました。

②他社事例の見学

懇談会で挙がった意見を参考に、ワークスタイルプレイマップを具体化していくため、CFKと近しい業種やロフトワークが推薦するオフィス6社(NECネッツエスアイ、梓設計、KADOKAWA、 IHI、三菱地所、リクルート)を見学しました。

私は2021年のオフィス見学には参加していなかったため、今回が初めてでしたが、これまで働いてきたオフィスに大きな不満を持っていた訳ではないのに、あまりの違いに「こんな場所で働きたい!」と強く感じました。一緒に見学に行った後輩が、「フリーアドレスって実在するんですね」と言ったのが今も印象に残っています。複数社のオフィスを見学することで、求める機能は同じでも、でも様々な事例を見ることができ、オフィス空間を検討していく中での引き出しが増えました。

③ ICT機器を活用した働き方に関する社内トークセッション

トークセッションの様子@大阪本社1Fリフレッシュスペース

もちろん空間だけではなく、デジタルツールにも着目しました。ICT機器を積極的に活用した働き方を実践している社員が使用している機器やアプリ、活用方法とメリットを紹介し、意見や質問を交わすトークセッションを開催しました。

部門も年齢も様々なメンバーで、働き方の工夫やアイデアについて情報交換をしました。

④第1回片付け月間の開催

お片付け方法のアドバイス@東京本社環境グループ

基本設計を進める中で、大阪本社にあるモノの量を調査したところ、他社と比べてかなり収納物が多いことが分かりました。新しい環境を作る前に、まず今を良くすることが重要だと考え、第1回片付け月間を開催しました。

CFKのオフィスはとにかく紙が多いのですが、私たちは片付けの方法を知らないだけなのではないか?という気づきに至り、モノ改善から業務(コト)改善までをコンサルティングされている株式会社オフィスミカサ代表取締役の長野ゆか氏を東京本社にお招きして、講演をしていただき、全社から100人以上が参加しました。

廃棄される段ボール@新大阪倉庫

講演後には、東京本社の各部署を巡り、具体的なアドバイスをいただきました。

その後、全社一斉お片付けの日を設定し、講義で習った「まずはものを捨てること」「使いやすく収めること」を皆で実践しました。翌朝には清掃スタッフの方々が困るくらいのごみを廃棄できて、効果はてきめんでした。

全社一斉お片付けは大阪本社・東京本社だけでなく、東北・中部・中国・九州の各支社や大阪本社の大規模倉庫も対象としました。各部門の収納物を改めて確認した結果、段ボールには廃棄の文字ばかり、結果的に700個以上を廃棄したことで、倉庫本来の使い方ができるようになりました。

片付け月間のBEFORE/AFTER@大阪本社港湾・空港グループ

あわせて、社内にTFメンバーがデザインしたPOPなポスターを掲示したことも会話のきっかけに。片付け月間終了後には整理整頓を頑張った部署と個人を表彰することで、やる気と継続意識が高まりました。

さらに、片付け月間で生まれた新しい空間を活用した新たな試行に繋がります。

目指したい働き方と空間のための試行

2021~2022年度の活動、深化していく基本設計を通して、私たちのオフィスにはこんな機能、設備・什器があると良いというイメージが具体的にでき上がってきました。それを受け、大阪本社・東京本社それぞれで目指したい働き方と空間に関する試行・検証を行いました。

①社内実験(大阪本社)

大阪本社では、各フロアのTFメンバーで企画した社内実験を実施しています。それぞれで試してみたいオフィス環境や働き方を小規模に実施し、基本設計に活かすことがねらいです。打合せスペースの選択肢を増やしたり、自席以外の居場所をつくったり、植物や水槽を置いたりと工夫と遊び心が見られます。利用者の声も早速届いており、新しいオフィス環境の計画を机上で考え、伝えることと、実際に使ってもらうのでは反応が違うことを実感しているところです。休憩時間には水槽を見に他のフロアからも人がやってくるそうですよ。

社内実験の様子

スタンディングテーブルで軽い打合せ/雑談を@大阪本社6F
全社員の交流できる空間づくり@大阪本社1FCFKカフェ
水槽を眺めながら交流も@大阪本社5F

②新しい使い方の試行(東京本社)

東京本社では、4Fのリフレッシュスペースが、昼休み以外の利用が乏しいことから、業務時間内での新たな使い方を促進するための試行を実施しました。一人で集中して作業するためのスペースや小休憩の場として活用できるよう、長時間座れる椅子やモバイルモニターを導入したうえで、利用ガイドを設けました。このような活動を通してWEB会議や打合せのスペースとして、徐々に活用されるようになっています。

4階の利用を考えるにあたって、東京本社長自らが終日仕事をしてみたり、バスケットを買ってきておすすめの書籍を置いてみたりと完全協力体制。現在も皆で手軽に始められるところから使い方を模索中です。

打合せやWEB会議に@東京本社4F
季節によって変わるおすすめ書籍@東京本社4F

東京本社分室の開設

レイアウトを見ながら座談会@東京本社会議室

さらなる試行の場となったのは、社員が増え、手狭になった東京本社に新設されることになった分室です。2023年4月から東京本社のそばのオフィスに、鉄道系部門の約30名が移動することになりました。この分室を計画するタイミングは、すでに社員の中で働き方やオフィス環境に対する意識の変化が起こっていた時期であったため、この分室は現時点で思いつく、目指したい働き方ができる空間としての機能を盛り込んだものとなりました。そこで、分室検討チームのリーダーである東京鉄道グループ室谷統括リーダー(当時)から、分室検討チームの議論の内容を紹介してもらいました。

東京本社分室のレイアウト

A.コラボエリア(チームワーク)

室谷:分室はフリーアドレスを想定したオフィスになっています。今の東京本社のような席に加え、集中ブースや8人掛けの大テーブルも配置し、好きな場所で働いて良い。打合せスペースも1人用から傍聴席付きで議論をするためのエリアもある。個々で仕事を進めながら、チームで自由な働き方、過ごし方をして欲しいという意図です。このオフィスで、皆の自由な行動を促したいと思っています。

中矢(推進幹事@大阪本社):日常的な知的コミュニケーションをする場所や機能に選択肢が増えるということですね。

室谷:私のグループはチーム制だけれど、チームで一緒に進めるプロジェクトは限られているので、若手同士は同じフロアにいながらあまりコミュニケーションが取れていない。フリーアドレスなら会話の機会が固定席よりも増えるから、必然的に交流も増えると思っている。

堀木(推進幹事@東京本社):分室は東京本社のメンバーや出張で来た社員も自由に使える空間にしたいです。他の部署の人が分室で仕事をすることで、今まで同じフロアで仕事することはなかった人たちとの新たな交流が生まれますね。

加藤(TFメンバー@東京本社):いいですね。僕は、普段関わりのない人と話すのは喫煙所なんです。ちょっとしたやりとりなんですけど、顔を合わせば、実のある話ができる。でもたばこのように「その場所に行く理由」が絶対に必要だと思っています。その点、この分室は魅力的なので、行ってみようかなという気持ちになる。他部署の人に来てもらうためには、人を呼び込む魅力が必要なんだと思います。

B.リフレッシュエリア

室谷:リフレッシュエリアはお茶を飲みながら仕事もできる空間にしたいと思って導入しました。仕事中にたばこを吸うことだけが認められているのは不平等だと思うので、お茶を飲みながら仕事して良い空間があれば、喫煙所と同じような会話や交流が生まれるのではないかと思っている。

菊地(TFメンバー@大阪本社):大阪本社で計画している社内実験でもリフレッシュエリアのようなスペースを企画していた際に、仕切りがないとくつろげないという意見がありました。でも、開放感があって、外から見たときに誰がいるかが何となく確認できて、ちょっと話をしたいから行こうかなと思える空間にしないと駄目だよねと思っています。それぞれのマインドを変えるところが、まず会社としては必要なのかな。

中矢:それは、自律による行動ですよね。ベースとして社員相互の信頼があってできること。場合によっては、ヒエラルキーで管理する時もあるけど、それが全てだとお互いが楽しくない。処理しか生まれない。コンサルタントはそうではないでしょうというのは、多分、皆も同じ見解かと。

C.情報機器・ペーパーレス

室谷:分室を検討する中で知ったツールも積極的に導入する予定です。例えば、画面に書き込めるインタラクティブモニター。僕は議論するときによく絵を描いて説明するんだけど、簡単に描けるし、ちょっとスペースが足らないなというときに書いたものをごそっと動かせる。

金親(TFメンバー@東京本社):会社のノートPCもペン対応の機種を使っている社員が何人かいますけど、アイデアを共有したり、図面や地図を見ながら議論する時は手で書き込んだ方が速いし、意図やポイントを共有しやすいですね。

室谷:フリーアドレスの最大の課題は紙資料のストックができないため、ペーパーレスが必要になること。だから、僕らのような図面を扱う技術者もペーパーレスを図るために、昨年から何人かにiPadを持たせている。一人は完全にペーパーレスができているので、そのやり方が上手くいくのであれば、グループ全員に導入しようと思っている。

菊地:僕はもうほとんどiPadしか使っていないですね。紙ファイルは、たぶん2~3冊しか持っていない。

室谷:iPadの活用法として、例えば、打合せ資料をデータ化しておけば、iPad上で資料に書き込みを行い、書き込んだ資料を複数人で共有できる。これまでは、個々が書き込んだ資料を個々が紙ベースで保管していたため資料が不必要に増えていたと思われるが、このようにiPadを活用すればペーパーレスが図れると思う。

D.分室での働き方

新しい試みとしてのリフレッシュエリア@東京本社分室

室谷:分室は2グループ30人程度なので、色んなことにチャレンジしようと思っている。どうしたら導入した機能が上手く運用されるのか。機能も運用方法も見直していこうと思っている。導入した機能がうまく活用されない場合は、見直しを行い、より良いものに変えていく。分室でいろいろなチャレンジをして、良かったものを大阪本社で採用したら良いんじゃないかな。だから、東京本社の人も他の本支社の人も分室をどんどん利用して、感じたことをフィードバックをしてください。それは分室だけじゃなくて、全社の働き方のアップデートにつながるので。

さいごに

まだ2年目の活動を終えたばかりの「新しいオフィス環境づくりプロジェクト」ですが、活動当初に比べて、社員一人ひとりの意識や行動、『じぶんごと』としてとらえてくれた人の数も大きく変化しているように感じています。働き方のアップデートもオフィス環境の空間づくりのどちらにも正解や終わりはありません。新しいオフィス環境づくりプロジェクトはこれからも推進し続けます!

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