
取組のきっかけ、取組への想い
CFK東京本社の位置する半蔵門・麹町エリア
半蔵門・麹町エリアには教育施設、公共施設、業務施設が集積しており、昼夜を通して多様な人々が行き交っています。しかし、周辺には公園や広場といった、ふらっと立ち寄れる公共空間がありません。そのため、会社の前では、子どもを送迎する親たちが交差点の角で立ち話したり、営業マンが立ちながら自転車の荷台にパソコンを載せて作業をしたりしていました。
居心地がよく歩きたくなるまちなか
近年、都市の魅力を向上させ、まちなかににぎわいを創出するため、「居心地が良く歩きたくなる」(ウォーカブルな)空間を生み出す取組は、我が国の重要な施策として全国的な広がりをみせており、道路空間をはじめとした公共空間の拡大・質の向上につながる取組が進められています。しかし、その推進において、道路幅員に余裕がない地区では、空間の確保が課題となります。沿道の民地と一体的な空間確保を行うことで課題への対応を図ることが可能となると考えられます。
「パーチ!」とは?
東京本社周辺の状況やウォーカブルなまちなか創出の課題を受け、私たちは「東京本社の空き空間をウォーカブルなまちなか創出につながる公共的な空間として利用してもらうケーススタディをしよう」というアイデアから、「パーチ!」という名前の場所を作りました。
この「パーチ!(Perch)」は、英語で止まり木を意味します。鳥が木に止まって羽を休めるように、どなたでも自由に立ち寄れる場所にしたいという思いから、「パーチ!」と名付けました。
取組の内容
利用のルール:できること看板
「パーチ!」は、誰でもふらっと立ち寄れる場所である一方、CFKの敷地です。そのため、私たちが想定する方法以外で使用されてしまうと、「パーチ!」の取組を辞めざるを得ないことを懸念しました。そうはならないように、でも禁止事項ばかりの看板にはしたくない、そういう思いを込めて「できること看板」をつくりました。

場のしつらえ:半地下を生かした滞留スポット
「パーチ!」では、大人も子どもも滞留できるよう、3種の異なる滞留スポットを設置し、利用の形態にあわせて自分の好きな場所を選べるようにしています。また、半地下のため外からは様子が見えますが、中の滞留スポットに入ると道路からの視線をあまり気にせず自由に使えます。

パーチの取組の広がり

これまでを振り返って
パーチ!は、自分達で課題を設定し、自分達の手で創り、実現してきました。そして、地域の方に喜んで利用していただき、地域とつながりをもてたことが、何よりの成果だと感じています。若手などということは関係なく、CFK独自のプロジェクトとして取組を承認し、見守っていただきありがたい限りです。
今後も地域の皆さんにとって望ましい空間となっていくよう、難しいことにも積極的に試していきたいと考えています。
また、パーチ!を通じて公共空間の維持管理方法や事業性についての知見を蓄積していくとともに、「自社だからできた」ではなく、他の場所にも展開できる手法も検討していきたいと考えています。

須賀 佑実子 戸谷 百萌
SUGA Yumiko TOYA Momoe
計画系部門
事業創生グループ