価値を高めるということ

1 将来の中庭のイメージパース

皆さんは、「プラネタリー・バウンダリー」という言葉をご存じでしょうか。「地球の限界」とも言われ、地球環境が人為的に改変されても元の状態に戻り、地球環境が安定した状態を保てる限界の範囲を示したもので、地球規模の環境問題9項目の現状が分析されています。中でも生物圏の「絶滅の速度」は、地球の限界を大きく超え、高リスクな状態とされています。(以下、URL参照)

「平成29 年版 環境・循環型社会・生物多様性白書(PDF 版)」
第1 章 地球環境の限界と持続可能な開発目標(SDGs)
※プラネタリー・バウンダリーはp.5 参照
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h29/pdf/1_1.pdf

2023年3月、「生物多様性国家戦略2023-2030」が閣議決定されました。本戦略は、世界目標に基づいて2030年のネイチャーポジティブ(自然再興:自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること)の実現をめざしています。

ところで今、CFKはオフィスリニューアルに取り組んでいます。大阪本社ビルは1階外構だけでなく、屋上・中庭・壁面バルコニーが緑化されており、これらもオフィスリニューアルの対象です。

このうち、中庭では新たにビオトープをつくる計画を立てています。眺めることが主目的の現状に対して、北摂地域の田園をイメージした池をつくり、生き物の棲み処となる空間の創出をめざしています。植物は在来種(大阪近郊で江戸時代以前から見られる種)を用い、隣接する市の工事により行き場がなくなったメダカを譲り受けて保全する計画としています。

そのため、2023年の夏から、現状で水場がない中庭に新たに池を設けた場合の問題点と新大阪という都会の緑地に生き物が来る可能性の確認を目的とした社内実験を実施しています。現状の屋上・中庭は生物多様性が高いとは言えない状況ですが、チョウやトンボなどの昆虫、ツグミやメジロなどの小鳥が訪れていることがわかりました。実験の結果は、池の設計や導入する植物の選定に役立てます(図1)。

CFK大阪本社の約1km南には、多様な生き物が生育・生息する淀川があります。中庭は大都会の中の小さな緑地ですが、淀川から北へ移動する生き物の羽休めの場となるかもしれません。更に、このような緑地が周囲に増えれば、網目状に上空を飛び交う生き物が増え、地球の課題であるネイチャーポジティブに貢献できるのではないかと考えています。

中庭以外にも様々な思いを詰め込んでいる緑化スペースですが、屋上は社員が憩い集える場になる空間を整備するとともに、新たに菜園スペースも作ります。今は訪れる人の少ない屋上ですが、整備後は多様な社員が集う場になることを期待しています。

重吉 実和
SHIGEYOSHI Miwa
環境・防災系部門
環境グループ
プロジェクトマネージャー

RECRUIT

採用情報


私たちと一緒に新しい未来を切り開きましょう。
CFKでは、高い志を持ってチャレンジし続けるあなたを待っています。

採用情報へ 採用情報