オタワから京都へ-新たな環境での緑との暮らし-

Hello everyone! This is Benjamin Morrison.

山科での田植え

モリソン・ベンジャミン
Benjamin Morrison
環境・防災系部門
環境グループ

 環境グループのモリソン・ベンジャミンです。会社ではすでにご存じの方も多いと思いますが、私はカナダ出身で、そのことを誇りに思います。地球の反対側から来た私にとって、日本の環境はまったく異なるものでした。特に自然との関わり方については、大きな違いを感じています。今回は、この記事を通して、私の体験と、日本に来てから自然に対する考え方がどのように変化したのか紹介します。

My Roots in Ottawa

私はカナダの首都オタワ(Ottawa)の郊外、カナタ(Kanata)という静かな住宅街で育ちました。地元の先住民の言葉で「村」を意味するこの場所では、常に自然が身近にありました。広い庭のある家で育ち、木々に囲まれた静かな通りで遊びながら、自然とのつながりを幼少期から感じていました。家の窓からはいつも緑が見え、メープルツリーやシラカンバの木の下で遊び、両親が丹精込めて育てた花や野菜に囲まれて暮らしていました。大学時代も父と一緒に家庭菜園を楽しんだことは、今でも大切な思い出です。


特に印象深いのは、地域に張り巡らされた緑の小道のネットワークです。通学や友人宅への移動に非常に便利なこれらの道は、やがて私のジョギングコースとなり、木陰の涼しさや安全性を実感する場所になりました。中でもお気に入りは、ビーバー・ポンドという池の周りのジョギングコースで、秋には紅葉が美しく、カナダの自然の豊かさを象徴する場所です。

秋の裏庭で木々に囲まれて遊んでいる幼少期の私
秋のビーバー・ポンド池

Adjusting to a new Landscape

日本への留学を決めたとき、都会での生活にどう適応するか、そして自然とどう関わっていけるかが大きな不安でした。カナダでは、日本といえば、夜はネオンが輝いて人で混み合っている大都市と、伝統的で静かな庭園や神社が混在するイメージがあります。私は都会の中心での生活に不安を感じ、伝統的な都市と自然も楽しめる静かな場所として京都を選びました。結果的に、この選択は私の自然観を大きく変えることになりました。


京都に到着した当初、修学院駅の近くの学生寮に住んでいました。都市部にもかかわらず、想像以上に自然が多いことに驚き、嬉しく思いました。しかし、最初は慣れず、特にランニングは信号や車、人の多さに戸惑い、思うように楽しめませんでした。また、家の周りに自然がないことにも寂しさを感じていました。

Discovering Nature in Kyoto

しかし、京都で生活を送る中で、私の視点は徐々に変わっていき、次第にお気に入りの自然を見つけました。その中でも、京都の中心を流れる鴨川は、特に私の好きな場所です。散歩やピクニック、そしてランニングにも最適で、季節ごとに変わる景色や、そこに住む生き物たちと緑地を使っている人々の調和に癒されています。都市の真ん中にあるからこそ、その緑の価値を強く感じるようになりました。宝が池公園や下鴨神社周辺の糺の森も同様に、私にとって大切な自然です。

京都での生活も3年を超え、庭や木々に囲まれた家には住めなくても、街を歩きながら自然を見つける楽しみを知りました。カナダでの経験と同じように、植物を育てる喜びも見つけました。例えば、今のマンションでは野菜は育てられませんが、1年以上育てているガジュマルの木があります。葉が大きくなっていく様子を見るのが楽しく、根元の苔の世話も新しい発見でした。また、京都の京北地域での植林活動や、山科での田植えにも参加し、自然との関わりを深めています。

春の桜と冬の雪に包まれた鴨川の風景 ( 北大路通りの橋付近)

Spring
Winter

Learning to Build With Green

全天空写真撮影の様子  ( 温熱調査)

毎日の生活以外にも、大学院やCFKの活動を通じて、さらに社会と自然の関係についても新たな視点を得ました。特に印象的だったのは、「水とみどりと暮らす亀岡」というワークショップへの参加や、大阪本社のアメニワなどでのグリーンインフラ(GI)の調査です。

亀岡市でのワークショップでは、1951年に起きた大雨により決壊して洪水で多くの被害を出した平和池というダムの跡地に、公園を設計するという課題に取り組みました。自然の美しさを守ると同時に、災害の記憶をどう継承するかを考える貴重な経験でした。

CFKのGIに関する調査研究も非常に有意義です。特に自然の機能を活かして人間社会を支える可能性や、その効果を定量的に示す重要性を学んでいます。本社のアメニワでの熱画像サーモグラフカメラや温度センサーを使った調査では、測定の難しさとともに、自然の活用が持続可能な社会づくりに不可欠であることを実感しました。

熱画像カメラのモニター画面  ( 本社アメニワ)

Lessons from Life in Japan

私は故郷の自然を今でも愛していますが、日本に来てからの3年間で、新しい文化と環境に触れ、自然との関わり方が大きく変わりました。カナダでは自然が常に身近にあり、無意識に楽しんでいましたが、日本では意識的に自然と関わるようになり、その価値をより深く理解するようになりました。CFKの経験も含め、これらの学びを今後の活動に活かし、未来の世代のために持続可能な環境づくりに貢献していきたいと思います。

オタワ概要
カナダのオンタリオ州東部に位置する首都で、カナダの行政の中心地。人口は約100万人で、英語とフランス語の両方が公用語として使われ、穏やかな自然環境と美しい街並みが特徴。世界遺産のリドー運河があり、冬には世界最長の天然スケートリンクとなるほか、春にはチューリップフェスティバルが開催される。また、国会議事堂などの歴史的な建造物も多く、治安も良好で観光客にも人気の都市。

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