
中国では都市により自動車を購入するにもいろいろ条件が違います。今回は、南京市、北京市、上海市の自動車購入についてご紹介します。

CFK北京 閻暁芸
担当:南京市の状況

CFK北京 吉密斯
担当:北京市の状況

海外事業本部 周小香
担当:上海市の状況
中国で自動車を購入するには
中国の大都市では、環境対策や渋滞対策のため、まずナンバープレートを取得しなければ、車を購入できません。北京、上海、天津、広州の大都市と杭州、深セン、海南、貴陽等の都市ではナンバープレートの発行がコントロールされています。特に北京市、上海市等ではナンバープレート取得が困難です。ただし、新エネルギー車※1は取得条件が優遇されています。
ナンバープレート取得の共通の条件として、①その都市の市民であること(都市戸籍を保有している)、②地方出身者(その都市の戸籍がない)の場合は連続してその都市で税金を納めていることがあります。
なお、ナンバープレートは一度取得できれば、ずっと利用できます。車を乗り換えても同じナンバープレートを継続して利用できます。ただし、ナンバープレート取得後、1年以内に車を購入しないと無効になります。
※1 中国の電動車は「新エネルギー車」(New energy vehicle、中国語では新能源車)と名付けられおり、電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の3種類。
南京市の状況

南京市ではナンバープレート交付の枚数制限はありません。登録料約225元(4500円)を支払えば、ナンバープレートを取得できます。
新エネルギー車の場合は、南京市の戸籍がなくてもナンバープレートの取得が可能です。また、審査もありません。
南京では、ナンバープレートの制限はありませんが、駐車場の確保が社会問題となっています。特に古い住宅地では駐車場が足りなく、限られた駐車スペースをめぐりトラブルがよく発生します。苦渋の策として、テニスコートなどの施設に駐車場を設置したり、公共道路を封鎖し駐車場として利用しています。
北京市の状況

出典:北京市交通委員会 https://xkczb.jtw.beijing.gov.cn
北京市では、ナンバープレートの交付が制限されています(ガソリン車10万台/年、新エネルギー車約2万台/年)。ガソリン車の場合は抽選制となっています。年6回抽選が行われ、当選するとナンバープレートが交付されます。抽選の参加は無料、当選時の登録手数料は約300元(6000円)です。新エネルギー車の場合は抽選ではなく年2回、申し込み順でナンバープレートが交付されます。ただし、交付数に制限があるため、現在は22年待ちとなっています。
2022年6月では、抽選に応募しているのは251.4万人で交付数は5174枚でした。当選率は0.2%。運が非常にいい人以外は一生当たらないかもしれません。幸い我が家は2008年にこの制度が実施される前に車を購入したので、このような悩みはないです。
上海市の状況

出典:上海市ナンバープレートオークションWebサイト https://chepai.alltobid.com/canpai.web/channels/34.html

ナンバープレートの取得はオークション制となっています。中国でオークション制が採用されているのは上海市と深セン市のみです。上海市のホームページで毎月オークションが開催されており、最低価格8万元~9万元(150万円~170万円程度 上限額あり)で、1万枚/月程度交付されます。最低価格・上限額は月ごとに変動します。オークションの参加費用は300元です。新エネルギー車はオークションの対象外になっています。
当選率が5~6%の「世界で一番高価な鉄の板」ともよく言われている上海市のナンバープレートの取得には運とお金が必要です。
北京ネットワーク:中国の情報を社内向けに定期的に発信しています。本記事はその一部を紹介しています。