

世界の他の国と同じように、中国でも、経済の発展に伴って、都市が大きく生活も便利になりました。一方では、モータリゼーションの進展に伴い、交通問題が日に日に拡大し、都市計画、公共交通システム、法規体系、交通道徳などの様々な課題が表面化しています。
今回は中国独自の交通問題についてご紹介します。
中国独自の交通問題とは

交通問題の発生原因はいろいろあると思いますが、中国独自の交通問題は次のようなものがあります。
交通ルールとマナーが十分浸透していない
十分浸透していない原因はいろいろあります。交通マナーの教育不足、周知の不足も原因の一つです。
道路利用の混在
自動車利用の増加に合わせて自動車のための道路整備は進んでいるのですが、まだまだ歩行者や自転車の安全に対する配慮が十分でないと思います。
中国では、まだまだ公共交通の整備が不十分で、多くの都市で通勤に自転車、電動自転車が利用されているのですが、うまく分離できておらず、通勤時間帯は写真のように大混雑しています。道路が狭く、みんなが同じ交通空間を利用していて、お互いに走行スペースを奪い合い、交通渋滞の問題だけでなく、交通事故の危険性もあります。
大病院周辺の大渋滞

大病院や有名病院には通院や見舞客が集中し、病院周辺では入場待ちの車で道路がふさがれてしまい、常に渋滞が起こっています。大病院は都心にあることが多いのですが、古くからの病院は自動車での通院が考えられていないため駐車場が不足しています。このため、駐車場が空くのを待つため病院の周りに長い行列ができ、病院周辺の大渋滞が起きるのです。
学校周りの送迎による混雑

中国では保護者が子どもの送迎をするのが普通です。幼稚園はもちろん小学生も保護者が送迎します。朝方は学校前まで送ればそれで終わりですが、夕方の下校時は子供を塾に送るために出待ちをする保護者たちが学校前に大勢集まります。幼稚園児の送り迎えは理解できますが、小学生で毎日送り迎えが必要というのは、日本の感覚だと少々違和感があるかもしれません。
様々な交通手段が学校の前に集まり、交通渋滞の原因の一つになっています。どこの都市でも問題になっており、送迎場所の指定や子供の登下校の時間をクラスや学年によってずらすなど様々な対策が取られています。
最後に
中国では、都市部で交通渋滞がほとんど毎日発生していますが、その問題を根本的に解決するためには計画、整備、管理などを最適化する一方、住民がどこへ行っても気軽に利用できる公共交通のシステムを作ることがどれだけ重要なことであるかは強く認識しております。
北京ネットワーク:中国の情報を社内向けに定期的に発信しています。本記事はその一部を紹介しています。