オフィス環境づくり07:これからの仕事と働き方を、私たちが作っていくために。U35「価値創造を噛み砕くロジックモデルワークショップ」

U35がつくる、未来のCFKの仕事

CFKは、 オフィス環境の変革を通じて新しい働き方と価値創造を実現するため、2020年から「新しいオフィス環境づくりプロジェクト」に取り組んでいます。2023年からは社員の約33%を占める35歳以下の若手が主体となって集まり、これからの仕事や働き方を考える機会をつくっています。

今回は、 U35「価値創造を噛み砕くロジックモデルワークショップ」を実施。会社が掲げている中期経営計画 (2022-2024) を、自分たちなりに噛み砕きCFKの未来を考えるために集まりました。

取材・執筆:藤原朋
写真:小椋雄太

私たちが実現する「価値創造」って何だろう?

2023年12月19日。師走の忙しい業務の合間を縫って、約40人のCFKのU35世代が集まりました。会場内にふんわりと漂うのは、できたてのポップコーンの香り。前回は「喫茶シランケド」と題して喫茶店のような設えでしたが、今回は趣向を変えて映画館のイメージに。壁には画像生成AIで作成した「あの名作映画」風のポスターが貼られ、タスクフォースの年長メンバーが手作りポップコーンを振る舞います。

今回のワークショップのテーマは、「私たちが仕事を通して実現する『価値創造』って何だろう?」。2030年の近い未来、CFKは一体誰にどんな価値を、どんな働き方を通して提供しているのでしょうか。そんな問いに、ロジックモデルというフレームワークを通して向き合います。

ロジックモデルとは、ある事業やプロジェクトが数年後〜数十年後にどんな価値を生み出しているのか?という未来の視点を出発点に、逆算的に今・ここからすべきこととの接続を設計図として表したもの。事業のためのインプット(資源)、活動、アウトプット、アウトカムの 4 つの要素で構成され、アウトカムと活動の因果関係を論理的に可視化していく手法です。

講師を務めるのは、 株式会社YOUI 代表取締役社長の原口唯さんです。原口さんは「アルプス山脈で遭難したハンガリー軍が生還したエピソード」を紹介しながら、ロジックモデルについて説明します。

講師の原口唯さん(株式会社YOUI 代表取締役社長)

「演習中に遭難してしまったハンガリー軍は、隊員の一人がポケットから地図を発見したことで落ち着きを取り戻し、その地図を頼りに生還できました。でも実は、その地図はアルプス山脈ではなくピレネー山脈の地図だったんです。このエピソードから、情報の正確さよりも、チーム全体が納得して迅速に意思決定・行動できることが重要だとわかります。ロジックモデルは、事業の『おおまかな地図』として、チームの合意形成とプロジェクトの実施、見直しに役立つんです」

「正しさ」よりも全員が納得して意思決定を行い、行動していくことが大切だと理解した後は、各チームに分かれてミニワークに挑戦。一人ひとりが自分ごととして向き合い、考えます。どのチームも真剣に意見を交わす中にも笑顔が見られ、和やかな雰囲気でワークは進んでいきます。

中期経営計画をロジックモデルに落とし込む

ミニワークを通して、「正解かどうかではなく、自分たちで考えて決めていくことが大切」というマインドを手にしたU35の面々は、いよいよ今回のメインワークへ。CFKの中期経営計画(2022-2024)に示されている5つの基本方針から、「2.プロジェクト志向に根差した質の高いコンサルティングと価値創造」「3.社内外の連携・ナレッジマネジメント等に基づく総合力と生産性の向上」「5.多様な働き方を支える仕組み・環境づくりと価値 共創 」の3つを最終アウトカムに設定し、ロジックモデルを作成します。

まずは個人ワークで、アウトカム(事業や組織が生み出すことを目的としている変化・効果)を具体化してふせんにどんどん書き出していきます。「関係者としてどんな人がいますか?その関係者にどんな状態になってほしいですか?映画のワンシーンのように想像してみて」という原口さんのアドバイスのもと、一人ひとりが思いを巡らせます。

続いてのグループワークでは、アウトカムからさかのぼって、アウトプット→活動→インプットを書き出し、関連するものをつないでいきます。時折ポップコーンを食べて一休みしつつも、活発な意見交換が続きます。

ワークを通して得た気づきや学びが未来につながる

ワークの後は、各チームのロジックモデルの発表タイム。「どんなロジックモデルを作ったか」「作ってみてどんな気づきがあったか」「これからどんなことに取り組んでみたいか」を全体でシェアしました。

「2.プロジェクト志向に根差した質の高いコンサルティングと価値創造」を最終アウトカムに設定して取り組んだチームの発表では、CFKの社是である「誠実・明朗・団結」と関連付けて、こんな声が上がりました。

「建設コンサルタント業界は、少し内向的な印象があります。CFKも社是の『誠実』と『団結』は充実しているけど、『明朗』はちょっと足りないかもしれない。そのためのアクティビティとして、業界外にもアウトリーチできるようにSNSやメディアでの発信を強化することや、社内外のコミュニケーションをもっと活性化することが必要だと思います。交流会や勉強会を定期的に実施して社内外のつながりを作り、明朗さを高めていきたいです」

「3.社内外の連携・ナレッジマネジメント等に基づく総合力と生産性の向上」を最終アウトカムとして取り組んだチームからは、「社内外の連携を考えないといけないのに、社内にばかり目が向いてしまった」「そもそもナレッジマネジメントとは何か?という定義をみんなで共有するのに時間がかかった」といった声がありました。

これに対して「足りないものに気づけたのも、ロジックモデルから得られる大切な知見の一つ。ここで皆さんが先んじて悩んだことが全社のためになるはず」「文言が難しくて合意形成や納得感につながりにくい場合は、文言自体を見直すのも一つの方法。それも大きな気づきです」と原口さん。課題に気づくプロセスそのものにも意味があると共有することができました。

「5.多様な働き方を支える仕組み・環境づくりと価値共創」を最終アウトカムとして取り組んだチームからは、こんな気づきがシェアされました。

「アクティビティを考える時に『チーム内の仕事量を把握する』『分担して仕事をする』『お互いをリスペクトする』といったチームづくりの話題がたくさん出てきました。これはオフィス環境づくりの取り組みでなくても、普段からすぐにできることだなと気づきました」

これを聞いた原口さんは「とても素敵な気づきだと思います。今日は『新しいオフィス環境づくりプロジェクト』の一環としてワークショップを行っていますが、オフィスリニューアルを通して伝えたい価値は、日々の業務の中でも体現できる。今日得た気づきや学びを、今日からすぐに生かしていただけたら」と笑顔で答えました。

みんなで同じ方向を向いていくプロセスを大切に

各チームの発表を終え、最後はワークショップに参加した2人の感想で締めくくられました。

戸谷 百萌(計画系部門 事業創生グループ)

「今日、このワークショップに東京から出張して参加するための、グループ内の調整がすごく大変でした。でも、今回作成したロジックモデルを見ていると、それもつながっているような気がしてきたので、帰ってからまたじっくり考えてみたいです」(計画系部門 事業創生グループ 戸谷百萌)

大角 和輝(構造系部門 港湾・空港グループ)

「このワークショップで考えたことがオフィス環境ともつながっていると気づいたら、それだけで価値があると思います。いろんなものが混ざり合って、最終的にみんなで同じ方向を向いていくプロセスが大事なので、今日のような機会があれば若手の皆さんはぜひ積極的に参加してほしいですね」(構造系部門 港湾・空港グループ 大角 和輝)

ワークショップを見守る兼塚社長(代表取締役)

ワークショップをそばで見守っていた経営陣からは、「普段の仕事をしている時と、みんな表情が違っていましたね」「今日皆さんが取り組んだのは、自分の考えを言語化すること。明朗ってそういうことかもしれないですね」「今後の経営方針を考える上でも良い刺激をもらいました。社是の順番は『明朗』を1番目に変えないとあかんかな(笑)」といったコメントがあり、会場はあたたかな笑いに包まれました。

一人ひとりの思いを言語化して語り合う濃密な3時間を通して、自分たちの未来を自分たちで考え、実行していこうとするU35社員の頼もしい姿が垣間見えました。

後日実施したアンケートでは、「自分では思いつかないような意見を聞いて、世界が広がった気がする」「アウトカムに向かって、自分が担うべき役割や行動を考えながら動けるようになりたいと痛感した」など、ワークを通して新しい気づきや学びを得たというコメントがたくさん寄せられました。

さらに、「事業の本質や効果、将来ビジョンの共有のために、自分の業務チーム内でもロジックモデルを活用したい」など、普段の業務にも取り入れたいという声も。若手社員がこれからの仕事や働き方を作っていくための素地につながる貴重な機会となりました。

オフィス環境づくりの紹介

オフィス環境づくり01:
新たな価値創造を支える働き方の実現に向けて

CFKが模索する「これからの時代の建設コンサルタント」に求められるオフィス環境に関する中間報告を対談形式でお伝えします。

オフィス環境づくり02:
社内外の共創を生み出すには? 対話を通して空間や仕掛けづくりを考える

社内外の共創を生み出すには、どんなオフィス環境や働き方、マインドが求められるのか。現状における課題や目指すべき方向性を外部パートナーを招いて語り合います。

オフィス環境づくり03:
地域の生態系ネットワークと呼応する、オフィスと都市の未来

ランドスケープ・アーキテクチャー(緑地学)を専門とする増田昇先生(大阪府立大学名誉教授)、本プロジェクトの外部パートナーである住友恵理氏(建築デザインユニット etoa studio 代表)をお招きし、屋上や中庭でチャレンジしたいことを社員と共に語り合います。

オフィス環境づくり04:
大阪中津・西田ビルに学ぶ、自社オフィスを通じてまちを良くしていく覚悟

地域に開かれたオフィスビルを目指し、そのヒントを求め総合ローカルカルチャー施設・西田ビルを訪問。ビルオーナーの西田工業(株)の宇田川さんと、さまざまな取り組みを仕掛ける東邦レオ(株)の久米さんと語り合い、これからのCFKのあり方を模索します。

オフィス環境づくり05:
リサーチから見えてきた、わたしたちの未来の作り方

リサーチに参加した若手社員と、本プロジェクトの外部パートナーである(株)ロフトワークの服部木綿子氏が、各地でどんな気づきを得たのか、今後のプロジェクトや自身の働き方にどう生かすのかを語り合います。

オフィス環境づくり06:
本音を話すことからはじめよう。部門を超えた同世代の繋がりづくり。U35ワークショップ「喫茶シランケド」

自分たちの未来を自分たちの力でつくっていくために、U35世代の社員が自分たちの働き方の現状と理想を語り合うワークショップを企画、開催しました。

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