北近畿豊岡自動車道環境調査業務

業務概要

重吉 実和
環境・防災系部門
環境グループ
サブリーダー

2014年度に北近畿豊岡自動車道(和田山JCT・IC~(仮)豊岡南IC)周辺において、事業中及び供用後の環境影響評価事後調査を行い、事業の影響を評価した上で、環境保全措置を実施しました。

主な業務内容は、サシバ・オオタカ等の希少猛禽類の繁殖状況調査、エビネ等の希少植物の移植及びモニタリング調査、コウノトリのロードキル対策構造検討、希少植物のシカによる食害防止対策検討、供用済区間における騒音・低周波音の現地調査及び騒音低減対策検討です。

有識者ヒアリングを経てこれらの結果を事後監視調査結果報告書にとりまとめ、今後の調査計画を立案しました。

1 対象路線の位置

業務の問題点・課題とその対応策

本業務は多様な項目を含んでおり、各項目にそれぞれの課題がありました。中でも、希少猛禽類の繁殖状況調査は、迅速な対応が迫られました。事業中区間(八鹿氷ノ山IC~(仮)豊岡南IC間)では過去2年間、工事箇所に近接してサシバが営巣している箇所があり、2014年度も同じ場所で営巣するかを急ぎ確認する必要がありました。近接して営巣が確認された場合は、工事による繁殖への影響を低減するための対策が必要となるからです。

当該地のサシバの保全対策が必要な時期(サシバが最も敏感になる抱卵期)は5月頃です。4月に業務着手し、5月頃までに現地調査を実施して営巣の可能性を確認した上で、工事における保全対策を検討して施工業者へその実施を依頼する必要がありました。

そのため、業務着手後は、現地調査計画を立てるとともに工事内容を確認し、現地調査、保全対策の検討、施工業者との調整を可能な限り迅速に行いました。また、私の専門は自然環境保全ですが、工事内容がわからなければ対策は立てられません。発注者を通じて施工業者から受領した施工計画を、社内の橋梁やトンネルの設計技術者とともに確認し、稼動する建設機械や発生する工事騒音の程度を理解しながら、必要で、かつ、現実的に実施可能な対策を検討しました。

その結果、工事箇所に近接して繁殖成功が確認されるという成果が得られました。発注者には、我々からの依頼を速やかに施工業者に伝え、また、回答を得ていただくというお力添えをいただき、心から感謝しています。

2 サシバの生活サイクル (出典:「サシバの保護の進め方」(2012年12月、環境省)より作成)
3 サシバの親子

2016年1月1日公開

RECRUIT

採用情報


私たちと一緒に新しい未来を切り開きましょう。
CFKでは、高い志を持ってチャレンジし続けるあなたを待っています。

採用情報へ 採用情報