そのみちの専門家と仕事をする-女川の現場から-

1 竣工した街区公園
1 竣工した街区公園

赴任時の状況

山本 琢人YAMAMOTO Takuto
計画系部門
事業創生グループ

2017年9月に女川町に赴任し、東日本大震災からの復興事業に取り組んでいます。赴任時は、住宅、水産加工団地、商業エリア等いわば住む、働く、買い物する場はできつつある状況でした。そのため、今後の町をよりよくする公園整備や公有地の活用が、私の主な仕事となりました。

ここでは公園整備の取組みとそこから感じたことを紹介します。

公園整備の取組み

これまでの約2年半、私は女川町復興まちづくりコーディネート業務の一環として、公園のデザイン調整、デザイン会議の運営支援、関係団体との合意形成に取り組んできました。主に携わった公園は、街区公園と女川町海岸広場と呼ばれる海沿いの公園です。町と各設計者の間に入って業務を行う立場上、時には行政、時には設計者のつもりになって、業務に取り組んでいます。

街区公園~専門家との協働~

街区公園の設計には、赴任直後から携わってきました。計15か所が対象で、2020年4月までに11か所の公園が竣工。2月に最後の実施設計が完了しました。

赴任当初、公園はおろか道路や排水の設計すら経験がありませんでした。そんな時に道しるべを与えてくれたのが、都市デザインの専門家の方々でした。

私が取り組んだのは、設計条件の整理、使われ方やデザイン面の議論を行うための造成・舗装・施設配置・植栽計画の検討でした。

初めは専門家の方からスケッチの基礎、設計の考え方など細かく教わりながの仕事でしたが、徐々に自分でも手を動かせるようになりました。時にはランドスケープの専門家から植栽計画のアドバイスも受けました。各分野の専門家との協働を通じて、様々な視点や空間的・時間的スケールから検討することの重要性を学んでいます。

女川町海岸広場~民間団体との協働~

2 ヒアリングを基に、海岸広場でイベントを行う 際のゾーニングと動線を視覚化し、設計に反映

女川町海岸広場は、約3.7haの広さで震災遺構、スケートパークを含む公園です。この業務では、将来イベント等で公園を利活用することが想定される民間団体へのヒアリングを通じて、設計方針の検討を行いました。新たな設計方針を基に代替案を検討し、設計者とコミュニケーションをとりながら、民間団体の意見を反映させていきました。

ヒアリングを行うと、やはりわかっていなかったことが明らかになります。イベント時の具体的な利用方法や、公園でやってみたいこと等、地域の人ならではのアイデアや構想があります。地元のことは地元の人が専門家です。自分の思い込みに閉じこもらないで、公と民で検討することが不可欠だと感じました。

現地に駐在して働く

現地に駐在して働く機会は貴重だと思います。ここでは現地駐在ならではの点について少し触れてみます。

一つは、現場がすぐ近くにあることです。今回取り組んだ街区公園だと、設計が完了して数か月後には出来上がるので、現場を見て予想以上に良かったこと、もっと工夫できたことに毎回気づかされます。図面が現場でどう出来上がるか、幾度の実体験を通じて理解できるようになるのは、現地駐在ならではだと感じています。

もう一つは、町のあらゆる関係者と関わる機会が得られることです。地域の活動に参加することで、町の関係者と知り合うことができます。地域のことを知り、体験することが、地域の人との信頼関係を築く一歩だと感じています。

展望

2020年度で復興事業によるハード整備は概ね完了します。今後は整備された施設・土地、あるいは既存施設の有効活用が求められます。民間団体との連携はもとより、より裾野を広げた町民参加の必要性が高まっています。

これまでに比べて、より幅広い公民連携の取組を支える仕組みづくり、そして実践の積み重ねが必要です。微力ながら貢献できるよう、努めていきたいと考えます。

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