公園をもっと柔軟に、もっと楽しく使いこなす!『みんなで公園活用事業(パークファン)』

まちのあちこちにある公園。子どもの頃に日が暮れるまで遊んだり、大人になってからはランチを食べたり、ほっと一息ついたりして利用している人も多いのではないでしょうか。

大阪市では、2021年度から中小規模公園(近隣・地区・街区)を対象に、市民や事業者の皆さまと共に、公園を自由な発想で楽しく使いこなすための施策「みんなで公園活用事業(愛称:パークファン)」を進めています。

CFKは、2020年度から新たな公園活用に向けた業務を受託し、大阪市建設局公園緑化部調整課と共にパークファン事務局を務めました。また2023年度は、私たち自身もプレーヤーとなり、プログラムの企画・準備や情報発信、当日の運営といった一連の流れを実施することで、事業効果を検証しました。

CFKは、大阪本社近くの公園を活用して「技術者といっしょに公園で遊ぼう」というプログラムを開催!安全で快適なまちをつくるスペシャリストとして、土木の「なぜ?どうして?どうなってるの?」を公園で実験&体験できる機会を設けました。

地域のプレーヤーが公園を楽しくする!

公園は、子どもから大人まで様々な年齢が集い、憩い、交流する空間であり、生活する上で欠かすことのできないインフラです。また、公園を整備し、維持管理することは、まちの景観や環境をより良くするとともに、防災性や生物多様性の向上にも寄与しています。

しかし、生活の身近にありながら、禁止事項が多く、思うように使えない公園がたくさん見られます。そうした背景から、市民が主体となって公園をもっと楽しい場所にするための取り組みとして「パークファン」が生まれました。「パークファン」という言葉には、『公園がもっと楽しい(fun)場所』になるように、そして『公園のファン(fan)』が増えるように、という想いが込められています。

パークファンでは、市民や事業者の皆さまが主役となり、公園を活用したさまざまな活動に取り組みながら、活躍の場を広げるきっかけになる仕組みづくりを行ってきました。

そうした活動をする人をパークファンでは「プレーヤー」と呼び、日々の仕事や活動で培った専門的なスキルや経験、アイデアなどを公園に還元していく動きを、『プロボノ』として提供してくれる人や組織を募集しています。
*『プロボノ』とは、『公共の利益のために』を意味するラテン語『 Pro Bono Publico 』を語源とする言葉です

例えば、防災活動に取り組む団体が防災訓練体験を実施したり、英会話教室の講師が簡単な英会話レッスンをしたり、時にはプロの歌手の方が野外歌声サロンを開いたり。各々の得意なことや好きなことを持ち寄って、公園を楽しく、賑やかにする催しが、大阪市内の様々な公園で行われてきました。

その中で、CFKは国内外の鉄道・道路・港湾・河川などの社会インフラの計画・設計を通して培ってきた技術や知見を、だれでも気軽に参加できる遊びに落とし込み、地域で暮らす方々に体験してもらえるようなプログラムを企画しました。

土木の不思議「技術者といっしょに公園で遊ぼう」

CFK主催プログラムは、2023年11月11日(土)、11月19日(土)、12月3日(日)の全3回開催。場所は、11月が日之出南公園、12月が新駅2号公園で、どちらも大阪本社から徒歩3分ほどの場所にあります。

下記3つのテーマを設定し、日によって実施内容を変えながら開催しました。

◎建物を支える土や地面のしくみを学ぼう!(11月11日開催)
◎橋のつくりかたや調査のしかたを体験しよう!(11月19日開催)
◎地域の身近な公園で季節を楽しもう!(12月3日開催)

各日の実施内容について、11/19に実施したものを中心にご紹介します。

ポストカードをつくろう

木の幹が印刷されたポストカードに、色鉛筆や定規、スタンプなどで色付けをして、空想の木を描きます。色鉛筆や定規の使い方もお伝えして、さまざまな表現方法を楽しんでもらいつつ、「こんな木があれば、もっと居心地のよい公園になるかな」と空間デザインを体験してもらいました。

アーチ橋をつくって渡ろう

木材を組み立てて、橋の上に立ってもらう体験だけではなく、アーチ構造の力の流れや、アーチ構造で作られた橋の紹介も行いました。

今回、橋の紹介で使用した写真は、大阪市職員の方からご提供いただきました。プリントアウトし、橋の名前や形の特徴も合わせて紹介することで、CFK主催のプログラムと併せて大阪市内の橋を知ってもらうきっかけになりました。

事前に改良を重ねて設計したアーチ橋は、CFKメンバーがサポートしながらバランスを調整することで誰でも組み立てることができるものに仕上がり、知識のない人にも楽しみながらアーチ構造を知ってもらう機会になりました。

レーダーをつかって宝ものをみつけよう

鉄筋探査の方法を学ぶ場として、探査機を用いたプログラムを実施しました。鉄筋探査は、コンクリート構造物の表⾯から、内部の鉄筋・管・空洞などの位置、配筋状態、かぶり厚を確認する検査です。

当日は8種類のボードを用意し、それぞれの裏側に一本線、三本線、ロの字など、様々な模様で鉄筋を貼り付けました。探査機をゆっくり動かして、どんな模様が描かれているのか当てるクイズをしながら、調査の体験をしてもらいました。

ロボットカメラで鳥の目線を体験しよう

このプログラムで使用した「点検ロボットカメラ」は、目視が困難な場所での構造物の調査の際に、タブレットを用いてカメラを遠隔操作することによって、損傷などの点検・測定・映像記録を行うものです。

この日は、公園内にミニオンの人形を隠し、子どもたちにカメラを操作して見つけてもらう遊びをしながら、点検ロボットカメラの仕組みや操作を体験してもらいました。

他にも、モルックやバドミントンを公園に用意。訪れた人が手に取り、自然とCFKメンバーや他の参加者と一緒に遊ぶ光景が広がっていました。

また、12月3日は「地域の身近な公園で季節を楽しもう」をテーマに、2023年度にプレーヤーとして活動していた「おやこclubゆめの木」さんとコラボレーションし、クリスマス特別バージョンで開催しました。

CFK企画のポストカードづくりとチョークアートでのクリスマスボードづくりに加え、おやこclubゆめの木さん主催の企画として、サンタクロースとの記念撮影や、クリスマスソングの合唱、絵本の読み聞かせも実施いただいたことで、それぞれのプログラムを行き来しながら長時間滞在して楽しむ様子が見られました。

その他の日にも、土木にちなんだ様々なプログラムを開催しました。

模型をつかって地面のしくみを学ぼう

だれがいちばん土を高く積めるかな!?地盤工学チャレンジ!

ピカピカのどろだんごをつくろう

部署を超えた社内コミュニケーションの機会に

本プログラムは、多くの社員が面白がって力を貸してくれて、色々な意見を出し合いながら形にしていきました。

プログラム開催に向けて仲間を集め、準備を進める中で、これまで知らなかった社員の魅力的な特技・経験・スキルを知ることができました。一緒に活動しながら、各々の長所を活かした楽しいアイデアがどんどん生まれて、当日へのモチベーションも高まっていきました。

プログラム当日は、参加した市民とCFK社員の交流はもちろん、CFK内の部署間交流もあちこちで見られました。「この機械はどうやって使うんですか?」「どのように今日のプログラムを考えたんですか?」「何年入社?」など、本イベントにまつわることから日常業務に関わることまで、自己紹介を交えながら、お互いを知る機会にもなりました。

パークファンを通して、会社全体として楽しい1日にしようとする姿勢を垣間見ることもできました。「パークファン」に取り組むことで、部署や役職を超えて顔の見える関係性を築くことができ、社内コミュニケーションの促進にも繋がっています。

地域からも信頼される企業を目指して

CFKは、これまで主に行政などをクライアントとしていました。しかし、まちづくりを推進する建設コンサルタントとして、地元・地域の人に十分な認知をしてもらっていません。また、CFKで働く社員も「地域住民のことを知らない状況は良くないのではないか」「震災や台風などの災害が起こった際に、地域のことを知らずに力になれるのだろうか?」といった懸念を持っており、地域を構成する一住民としての責務を果たしたいと考えていました。

より地域住民からも信頼されるまちづくり企業となり、建設コンサルタントとしての責務を果たすために、今回、日之出南公園と新駅2号公園でプログラムを開催するに至りました。

CFKとして新たな挑戦である「パークファン」の取組みに、新入社員から経営層まで、年齢や役職、部署に関係なく積極的な参加があったことを誇りに思います。

 

このプログラムで実施したアーチ橋づくりは、今後、ふれあい土木展等のイベントでも活用していく予定です。

「パークファン」のような場があるということは、市民との交流、社内コミュニケーションの促進、そして若手技術者の企画力や技術力を伸ばすことにも繋がると考えています。

CFKでは、今後も通常の設計業務以外の機会も設けながら、社会に必要とされる技術や視点を養い、楽しみながら業務に携わることのできる環境づくりを大切にしていきます。


山本 優里

YAMAMOTO Yuri
計画系部門
地域整備グループ
サブリーダー

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