発注者のパートナーとして 事業に取り組む

公共事業のマネジメントへの挑戦

江川 真一
EGAWA Shinichi
総合技術本部
技術マネジメントグループ
統括リーダー

現在は、公共事業の川上にあたる調査計画から、設計、工事、維持にわたる事業の各段階で発注者を支援できる技術者が求められています。

更に、東日本大震災以降は、災害後の早期復興を目的とした事業促進PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)や事業監理業務(PM業務)が発注され、専門性の高い技術力や従来、発注者が行っていた業務を官民一体となって実施することが求められるなど、新たな業務に変化し、その役割を建設コンサルタントが担う時代になっています。

事業促進PPPの取り組み

国交省・東北地方整備局三陸国道事務所が発注した事業促進PPPのうち、CFKが受注した「三陸沿岸道路事業監理業務(山田宮古工区)」を紹介します。

2011年 年3 月11 日発生の東日本大震災で、沿岸部を通過する国道45 号が津波により通行止めになり、迂回路が無く迅速な救援・救助の妨げとなったことを受け、2011年に三陸沿岸道路(自動車専用道路)が新規事業化され10年以内に整備し、早期復興を目指すこととなりました。

通常5~6年の準備期間(調査、設計、競技・調整、用地取得など)を2~3年に短縮して工事着工する必要があることや、膨大な業務に対応して職員・技術者が不足するなどの課題に対応する狙いで事業促進PPPが導入されました。

1 CFK担当区間(計画図) 1)
2 CFK担当区間(写真) 1)

本業務は、三陸沿岸道路山田IC~宮古南IC間(図1、2)の約14kmを対象とし、「鹿島・エンジニアリング東北・中央復建・三井建設JV」で受注しました。

業務内容は、民間技術者から構成されるJV(チーム)が、通常、発注者が行っている①測量・調査・設計業務等に対する指導・調整等、②地元及び関係行政機関等との協議等、③事業管理等の着工前の業務を発注者チームと一体となって実施するものです(図3)。

3 PPPチームイメージ 2)

その後、トンネル・橋梁等の大規模工事が本格化したタイミングで工事進捗管理、工事間調整、関係機関との施工協議等を行う④施工監理業務が追加されました。

本業務における事業促進PPPの特徴は、「事業の川上のマネジメントに初めて民間を活用」、「官民の技術者が多様な知識・経験の集約により効率的に事業を促進」、「官民一体の専任チームが現地に常駐し地域を重視して事業を実施したこと」などが挙げられます。

今後の展望

東日本大震災以降に、熊本地震や各地の豪雨災害などで、早期復旧のためのマネジメント業務(CM/PM/事業促進PPP)が採用され、建設コンサルタントが重要かつ高度な役割を担う機会が増えています。
最近では、災害時以外の平常時においても、マネジメント業務が採用されるケースが増えており、コンサルタント業務の新たな領域として、「事業マネジメント」のニーズが広がりつつあります。

今後は、事業マネジメントに関する技術の向上や専門性の深度化を図り、広い視野で事業を担う技術者の育成が我々の課題と考えています。

【参考資料】
1)国土交通省 東北地方整備局 ウェブサイト
2 )『P P P / P F I フォーラムi n ふくしま』資料、H24.10.12 国土交通省 東北地方整備局

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