インフラDX大賞とは
国土交通省は、インフラ分野においてデータとデジタル技術を活用し、建設現場の生産性向上に関するベストプラクティスの横展開に向けて、2017年より「i-Construction大賞」を実施してきており、令和4年度(2022年度)からは「インフラDX大賞」と改称し、インフラの利用・サービスの向上に取り組んでいます。
CFKでも様々な取り組みを実施しており、その中でも「令和3-4年度 北井門高架橋外詳細設計業務」においてデジタル技術を活用した変革に向けた優れた取り組みの功績が認められ、令和5年度インフラDX大賞(四国地方整備局長彰)を受賞しました。
CFKの取り組み
CFKはこれまで設計時において3次元モデルを作成していますが、すべてが有効に活用されているとは言い難い面もあります。その一つの要因が専用ツールを活用しなければ3次元モデルを確認できないことでした。本業務では、地元、バス会社、警察の他、地下横断歩道の管理者など多くの関係機関と協議することが必要でした。そのため、3次元モデルをいかに容易に確認し、円滑に協議できるかに主眼を置いて、3つの取り組みを実施しました。
活用事例① 2次元バーコードを用いて容易にモデル確認

これまで3次元モデルの閲覧には専用ツールが必要であり、誰もが手軽にモデルを確認することができませんでした。そこで本業務ではスマートフォン等のタブレットと2次元バーコードを活用して、専用アプリをダウンロードせず容易に360度任意の方向からモデル確認を可能とするシステムを構築しました。これは関係機関先や地元との合意形成に有効です。
活用事例② MR(複合現実)技術を活用した遠隔臨場

現実の3次元空間に完成イメージや地下埋設物等のデジタルな3次元モデルを重ね合わせ、現地における1分の1スケール3次元データ(MR映像)を、ネットワークを介して事務所(発注者)とリアルタイムに課題を共有しました。占用調整会議や工事着手前の地下埋設物支障箇所の確認、合同現地踏査における構造物完成時・施工時の留意点など現地と計画の相違点など最新情報をリアルタイムに共有できるとともに、移動時間の縮減により多くの関係者が遠隔臨場に参加できるなど有効性が非常に高いことが評価されました。
活用事例③ 360度動画を用いたシミュレーション

地下横断歩道、施工時切り回し(昼間・夜間)の歩行・走行シミュレーション、地下横断歩道出入口部における沿道やバス転回路における視認性シミュレーションなど360度動画を用いた各種シミュレーションを合意形成に活用しました。
おわりに
まだまだ実施できること・実施したいことが頭の中に多くあります。今後も様々なICT技術を駆使してインフラDXによって課題を解決していきます。

小松 純KOMATSU Jun
道路系部門
ゼネラルマネージャー