CFKが関わる全国の鉄道プロジェクト

過去20年の鉄道整備を振り返る

澤野 嘉延
SAWANO Yoshinobu
常務取締役

1998年の長野オリンピックの開催に合わせて開業した北陸新幹線(高崎・長野)を始めとして、東北新幹線は盛岡から北海道新幹線の新函館北斗まで延伸(2016年)し、九州新幹線は博多から鹿児島中央までが全線開業(2011年)、さらに北陸新幹線は金沢まで延伸(2015年)しました。

小型車両で急曲線・急勾配の走行性能を持つリニアモーター駆動方式の地下鉄は、東京都(2000年)、神戸市(2001年)、福岡市(2005年)、大阪市(2006年)、横浜市(2008年)、仙台市(2015年)で開業しました。さらに、中部国際空港連絡線(2005年)、仙台空港線(2007年)、成田高速鉄道線(2010年)などの空港アクセス鉄道が開業し、普通鉄道以外では、多摩都市モノレール(1998年)、沖縄都市モノレール(2003年)、リニモ東部丘陵線(2005年)、日暮里・舎人ライナー(2008年)などが開業しました。

CFKは、これらの鉄道を含め、日本全国のほぼ全ての鉄道プロジェクトに係わってきました。

1 北海道新幹線 はやぶさ

整備新幹線への取り組みと3次元 技術の開発

整備新幹線については、土木構造物に関する調査、設計、施工監理、環境評価など様々な業務を行ってきました。

新幹線駅の設計実績として、北陸新幹線の佐久平駅、上越妙高駅(写真2)、新高岡駅、東北新幹線の二戸駅、九州新幹線の新水俣駅があります。現在は、北陸新幹線の小松駅、九州新幹線の嬉野温泉駅、諫早駅の設計を行っています。

大規模な河川橋梁や架道橋も多数の設計実績があります(写真3)。

2 上越妙高駅(北陸新幹線)
3 小矢部川橋梁(北陸新幹線)

整備新幹線の設計実務を通じて2009年、「鉄道設計分野への3次元CAD活用手法」を開発しました。路線計画~線形計画~全体構造計画~個々の構造物設計までの一連の計画・設計プロセス3次元CADを用いることにより、計画・設計業務における品質向上と発注者・関係機関等に対する説明力の向上を図ってきました(図4)。

また、地下の支障物が輻輳する大都市圏における地下鉄の路線計画にも3次元技術を活用しています(図5)。

4 3次元CADによる橋梁の構造計画
5 3次元CADによる地下鉄の路線計画

連続立体交差事業への取り組みと 駅舎建築設計

6 南海電鉄 松ノ浜駅の外観デザイン

連続立体交差事業については、JR、大手・準大手民鉄など多くの事業に係わってきました。土木と建築の両方の技術者を保有するCFKの強みを活かし、20年以上にわたる長期間かつ複雑な施工が伴う仮線・本線の線形計画、土木構造物設計、駅舎等の建築設計において線路の切り回しや段階施工等を踏まえた、良質で手戻りが少ない設計を行っています。

南海電鉄 泉大津連続立体交差事業(延長:2.7km、事業期間:1996年~2017年)では、駅舎の基本計画・設計に始まり、デザイン検討、実施設計、自然エネルギー利用システムの導入検討、工事監理などの業務を行いました(図6)。

既存地下駅の大規模改造

7 阪神三宮駅 改造後のホーム階

既存地下駅の改造については、列車運行の安全を確保した施工計画や既存部材と新設部材が共存する構造物の評価など、高度な技術的判断と幅広い知見・経験が求められます。

阪神本線三宮駅改良事業(2013年竣工)は、1933年に建設された阪神三宮駅の駅施設の利用円滑化と交通結節機能高度化を目的として、営業線を供用しながら既設構造物を抜本的に改造し、東改札の新設、西改札コンコースの改築、近鉄との相互直通運転のための駅施設改良などを実施するものです(写真7、図8)。CFKは、基本計画から改良工事の詳細設計(土木・建築)に至る10年にわたって、高度で総合的な技術力を注ぎ込んできました。

ここで得られた知見・経験は、その後、地下駅大規模改造における貴重な事例として他都市においても活用されています。

8 阪神三宮駅 改良前後の構造

設計・点検技術の開発

9 大断面矩形シールド(京都市営地下鉄)

公益財団法人鉄道総合技術研究所には、1993年より多数の社員を出向させ、設計標準の改訂等に係わる研究や技術開発に取り組んできました。

大阪市交通局を始めとして全国の地下鉄事業者の業務には古くから係わり、京都市地下鉄 東西線(六地蔵・醍醐間:2004年延伸開業)の渡り線部では、周辺への影響を低減しコストや工期面でも有利となる大断面矩形シールド(幅9.9m×高さ6.5m)を発注者や施工会社とともに開発し、地下鉄トンネルでは世界で初めて採用しました(写真9)。

経年劣化が進む鉄道構造物の点検・調査、モニタリングにおいても、多数の技術開発を行ってきました。非接触式変位計測器を実用化(写真10)し、鉄道橋梁の変位計測に活用しています。また、単に点検を行うだけでなく設計において蓄積した技術や経験を活かして診断、補修・補強設計、長寿命化修繕計画などを行っています。

10 非接触式変位計測器の開発

真に魅力的なLRTの実現

11 芳賀・宇都宮LRT 車両「ライトライン」
出典:芳賀・宇都宮LRT https://u-movenext.net/process/

芳賀・宇都宮LRT(延長:15km)は、国内初の本格的なLRT整備です。宇都宮市は、このLRTを軸に利便性が高く効率的な総合交通体系を構築した「ネットワーク型コンパクトシティ」の実現を推進しています。

まちづくりと一体となったLRTを実現するため、CFKは、構想段階(都市計画・交通計画)から関与してきました。既存の法制度等による障壁や技術的な課題を解決し、真に利便性が高く市民に愛される魅力的なLRTを実現するため、基本設計・詳細設計に取り組みました(2023年に開業予定)。

鉄道整備は続く

CFKのお膝元である近畿、さらに本社所在地である新大阪においては今後、北陸新幹線の大阪延伸、リニア中央新幹線の大阪延伸が予定されています。また、これらの事業に伴い近畿の鉄道路線の整備・拡充や、都市拠点である駅やその周辺の開発も進むでしょう。これから10~15年間は、近畿の鉄道整備の時代になると確信しています。CFKは、地元の強みを活かし、鉄道整備とその周辺開発に係わる調査・計画・設計など様々な業務に取り組んでいきます。

また、国内プロジェクトで鉄道計画・設計技術をさらに磨きをかけ、技術者と経験を継承・蓄積しながら、中長期的な視点では一歩一歩、海外業務にも取り組んでいきます。

12 中国高速鉄道の施工監理(2011~2015年)

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