ようこそ“夢洲駅”へ―北港テクノポート線(コスモスクエア~夢洲)―

地下空間では世界最大級の面積を誇るデジタルサイネージがインパクトとなるコンコース

2025年1月19日に北港テクノポート線(コスモスクエア駅~夢洲駅間)が開業しました。これは、Osaka Metro中央線の終端であるコスモスクエア駅から3.2km延伸し夢洲駅を新設した路線です。夢洲駅は、大阪・関西万博会場への鉄道アクセスの玄関口としてその役目を果たしたことは、皆さんの記憶に新しいと思います。中央復建コンサルタンツは、駅間のトンネル、および、夢洲駅の土木構造物設計に携わりました。

ここまで読まれた方は、「中央線の電車が走っているのに中央線ではなくて北港テクノポート線?(しかも馴染みがない…)」と思われたのではないでしょうか。この路線は、“臨港鉄道”と位置付けされる港湾整備事業として土木構造物部分を大阪市が整備したもの、つまり、構造物自体は大阪市が保有しています。これを、株式会社大阪港トランスポートシステムが第一種鉄道事業者※1となり軌道の敷設等地下鉄を走らせる整備を行い、さらに、Osaka Metroが第二種鉄道事業者※2として地下鉄を走らせています。したがって、利用者目線では「中央線の延伸」となりますが、実は事業スキームが異なっているのです。

位置図

また、位置図に示すとおり、万博開催決定等によって令和2年以降新たに構造物を新設したのは夢洲内のみです。これは、北港テクノポート線の計画のはじまりが平成初期まで遡ることと関係します。北港テクノポート線は、大阪湾の埋立地である夢洲や舞洲等の臨海部における交通需要に対応するための鉄道路線として計画され、平成元年(1989年)の運輸政策審議会答申第10号において、平成17年(2005年)に着手することが適当である路線とされました。平成13~21年(2000~2009年)に道路・鉄道一体構造の沈埋トンネル部を含む夢咲トンネル(臨港道路)の整備に合わせ、コスモスクエア~夢洲立坑(約2.3km)の土木構造物が整備されました。しかし、全市的な財政改革による公共事業の抑制等により、それより先の整備については事業休止となりました。その後、万博開催決定等を受け、令和2年(2020年)から工事を再開し、令和7年(2025年)1月19日にコスモスクエア駅~夢洲駅間が開業しました。平成21年までに整備された区間に関しては、構造物が完成して約20年の時を経て、ようやく地下鉄が運行されることになったのです。

夢洲駅は改札前コンコースの大空間が印象的ですが、これは駅の“箱”となる土木構造物設計で創意工夫を重ねた結果、柱のない広々とした空間を提供することができました。他にも、3連エスカレーター、24人乗りエレベーター、オールジェンダートイレ(性別に関係なく誰でも利用できるトイレ)等、万博来場者を迎えるため、いままでの駅にない様々な機能を持った駅となっています。内装の設計は、「移世界劇場」を夢洲駅のデザインコンセプトとして、Osaka Metroと株式会社安井建築設計事務所が行いました。土木構造物は、残念ながら内装に隠れてしまい直接目にすることはほぼできないですが、私たちの設計した土木構造物が陰ながら寄与していることを皆様にも感じていただけると幸いです。

万博来場者に対応するため、多くの改札機が設置されている
24人乗りエレベーター
3連エスカレーター
オールジェンダートイレのピクトグラム

参照(鉄道事業法より)
※1:第一種鉄道事業:他人の需要に応じ、鉄道による旅客又は貨物の運送を行う事業
※2:第二種鉄道事業:他人の需要に応じ、自らが敷設する鉄道線路以外の鉄道線路を使用して鉄道による旅客又は貨物の運送を行う事業

 

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